コーチングって何ですか?

コーチングって知ってる?」

大学生にこう質問すると、知らない人が多い。

というか、知ってる人に会ったことがない・・

 

小学校から高校まで、いや大学でも、今の日本では基本、

出会わない分野らしい。

 

コーチングという概念が海外から入ってきて

もう30年くらい経つんだけどなぁ。

 

コーチングとは何か?

様々な答えがあるが、ここでは、従来の教育と比較する

意味で次の定義を引用する。

 

ティーチングが「答えを与える」コミュニケーション

   であるとすれば、

   コーチングは「答えを引き出す」コミュニケーション。

   対話を通じて、相手に気づきを与え、

   目標を達成するための自発的な行動を手助けします。》

 エン・ジャパン株式会社のHPより

 

なるほど。

(コーチが)「答えを引き出す」コミュニケーションかぁ。

 

でも、コーチングの場合、提供する側(コーチ)が

主語の説明って、おかしくないですかね?※

 

コーチングの場合、

行動して結果を出すのは相手(クライアント)。

 

コーチが主語になると、クライアントは

答えを「引き出される」存在(受け身)となって、

「自発的な行動」って表現と矛盾する気がする。

(答えを「引き出された」人が自発的に行動するだろうか?)

 

あくまでもクライアントの「自発的な行動」、というより

「主体的な行動」、その前提としての

クライアントの明確な意思があってこその「コーチング」だ。

 

実は、ティーチングとコーチングとの本質的な違いは、

「答えを与える」とか「答えを引き出す」とかの

方法(手法・やり方)にあるのではない。

 

ティーチングでは、答えを教師がもっているのに対し、

コーチングでは、答えをクライアントがもっている。

クライアントがもっている答えを、クライアントが

実現するんだから、引き出すも何もない。

 

そして、一番重要なのは、クライアントが

「自分の中の答え」を自ら「発見」するってことだ。

(コーチが気づきを「与え」るんじゃない。)

 

 行動を手助けするというより、「発見」を手助けすることに

コーチングの核心があると私は思う。

 

気づいたあと、クライアントがどうするかは、

クライアント次第。

 

気づいたあと、コーチは尋ねる。

「で、どうします?」

 

ここで、最低のコーチは、

「やるよね、やらないわけないよねっ!」って

クライアントを追い込む(これってハラスメントだよね)。

 

あなたには、こんな願い、夢、実現したい未来がある。

それはあなたの中に明確にある。

それに(自分で)気づけただけでOK。

行動するかしないか、どちらの選択もオッケーだよ。

 

だって、行動しないという選択には、それなりの重い

理由があるはずだから。

 

こういう、安心・安全の場を提供できる人だけが

コーチングという分野で、本当に

機能するコミュニケーションを実現できるのだと思う。

 

「あなたの中に答えがある」(コーチング)

 

こういう前提で、大人と子どもが、

大人同士、子ども同士が、対等に対話する日が

日本にくるのは、一体、いつだろうか・・

 

ティーチングの場合、ティーチャー(教師)が

 主語の説明にあまり違和感はない。

 教師は相手(学習者)に答えを「与える」側だからね。

 

 ただ、本当は、学習者の「学んだ」があってはじめて、

 教師の「教えた」が(あとから)認識されるんだと思う。

 教師が「答えを与えた(教えた)」つもりでも

 学習者が「学んで」いなければ、

 ティーチングは(ティーチングも?)成立してないはず。