問題とは

大学で「問題解決」を教えている。

そこでまず問題になるのが「問題とは何か」。

一言でいうと、問題とは

「現実と理想との差(ギャップ)」。

つまり、問題があるということは

①「変えたい現実」と

②「こうあってほしい理想」

の二つがある、ということになる。

今の現実に満足し「このままでよくね?」

っていう人に「問題」はない。

なぜなら、

①「今の現実を変えたいと思っていない」し、

②「理想を実現してしまっている」から。

では、現状に満足しているけど、

「もっとこうであってほしい」がある場合、

それは「問題」だろうか。

これは難しい問題だが(笑)、

「もっとこうあってほしい」の「こう」が

実現しなくても、全然OKなのであれば、

それは「問題」ではない。

なぜなら「変えたい現実」がないわけだから。

でも「変えたい現実」がないのに

「もっとこうあってほしい」なんて思うだろうか。

思わないですよね?

だから、やっぱり「変えたい現実」と

「こうあってほしい理想」はセットで

「理想がある」ということは

「現実を変えたいと思ってる」んだと思う。

ちょっと具体的に考えてみよう。

学生に「今自分が問題だと思っていることは?」

と聞くと次のような答えが返ってくる。

「貯金ができない」

「時間が足りない」

「性格が優柔不断」

「友達ができない」

「部屋が片付かない」

「勉強のモチベーションがあがらない」

「就活でやることがわからない」

      :

これらはみな「変えたい現実」ですね。

だから次にやることは

「じゃあ一体、自分はどんな理想をもっているんだろう?」

その理想を明確にすること。

例えば、自分はいくら貯金したいのかを明確にしてみる。

50万円なら50万円。明確にする。

次に、現状について具体的に把握する。

今、貯金はいくらなのか。

今の貯金から今月の生活費を差し引いたら

いくら残りそうなのか(残りそうにないのか)。

まず、ここなんですね。

「問題解決」において一番まずいのは、

「なんとなく嫌なんだよなぁ」という漠然とした感じ。

一体、何をどうしたいのか。

そこを明確にしないと何も始まらない。

問題解決には様々な手法、技法があって

やり方はたくさん紹介されているけど、

そんなやり方を覚えるより

「自分は何をどうしたいのか明確にする」ことが超重要。

自分が東京の新橋にいて大阪城に行きたい。

そこが明確だったら、問題は解決したも同然。

新幹線でも飛行機でもバスでもフェリーでも

好きなものを利用して「お好きにどうぞ」。

と、人に教えるのはある意味簡単だが、

さて、私は一体何をどうしたいのか。

それを考えないとなぁ(笑)

ここで一番重要なことを思いついた。それは・・

自分に変えられることは何で

自分に変えられないことは何か、を明確にすること。

自分に変えられないことに取り組んでも

決して成果はあがならい。 どころか、

より問題の深みにはまってしまう・・

自分に変えられること。そこに集中する。

時間は有限だから、

変えられないことに悩んでいるヒマはない。

「自分に変えられることに集中する」。そして、

「何をどう変えたいかを明確にする」。

では、やりまーす!