価値観のリカバリ

以前、NLP神経言語プログラミング)という

実践的な心理学を学んだ。

NLPは、人の脳の取り扱い説明書、と言われる。

簡単にいうと、

①人をコンピュータに例える。

②人のもつ価値観を、

コンピュータのOS(オペレーティングシステム

やソフト、アプリに見立てて考える。

③人がもつ悩み、問題の原因は

その人の持つ価値観にあるから、

(悩みをもつ人をコンピュータに見立てると)

ソフトやアプリを入れ替え(書き換え)ることができれば、

悩みや問題は解決する。

この、①~③のように考える。

ただし、ここでの問題は、

人の価値観は、コンピュータのように

簡単に削除、アンインストールできないことだ。

特に難しいのは、幼少期にできた価値観。

それは、OS(オペレーティングシステム)として

その人の生き方全体を支配する。

私がNLPを習っていたとき、先生は次のように言っていた。

0歳から6歳くらいまでで、

人のベースとなる価値観、つまりOSは

8割方、形成される。

一旦形成されたベースとなる価値観、OSは

基本的に死ぬまで書き換わらない。

以上。

これ、本当だとすると、かなり絶望的になりますよね (;^_^A

幼少期、不幸になる価値観、OSをインストールしちゃった人は

どうあがいても「そこから逃れられない」ってことだから。

幼少期、親からきびしく「ダメ出し」をされた人は

「自分はできない」

「自分はダメだ」

という価値観を形成し、どんなにがんばっても

最後にはその「自分はできない」「自分はダメだ」

となるよう行動し、その結果をまねく。

恐ろしいのは、

それが「無意識」に行われる、という点だ。

なぜなら、ベースとなる価値観、OSは、

「無意識」の領域に格納されているから。

意識は多少コントロールできるかもしれないが、

「無意識」はアンコントロールだ。

気づいたらやってしまっている。

コンピュータだったら、OSごと入れ替える、総とっかえ、

つまり「リカバリ」したいところだ。

だけど、人のベースとなる価値観、OSの「リカバリ」、

大変なんだよねぇ。

もし仮に、それが完璧に実現したら

記憶は完全に失われて

「私はだあれ?」

「ここはどこ?」

状態から人生をスタートすることになる・・

日常生活を送れなくなっちゃうよね。

じゃあ、一体、どうしたらいいの?

多くの心理学は、この問題が

人の悩み、問題の根本にあると気づき、

それぞれ解決策を提案している。

その中で私が最も納得しているのは・・

(イメージの中で)もう一度、幼少期に帰って

その体験を味わい切ること。

そのときのつらかった思い、悲しかった思い、

情けなかった思い、それらの感情を

味わい切って「開放」してあげること、だ。

それはときに「いやし」とも「ゆるし」ともいわれる。

つらかった幼少期。

本当は隠しておきたかった、見たくない幼少期。

そこに真摯に向き合い、味わいつくすこと。

味わいつくして、手放すこと。
自分を縛ってきたベースとなる価値観のリカバリ

それが本当に大切なんだよなぁ、と思う今日この頃。