「教え方」を変える

教授者は知識だけを教えることはできない。

なぜなら、「なぜ、この知識を学ばなければいけないの?」と学習者に問われたとき、

教授者側に、その「疑問」に対する答えがなければ、「教える」行為は行き詰るからだ。

 

例えば、分数の割り算。

分数の割り算では、逆数を掛ければ答えが出る、ことは知っている。

しかし、そもそも「分数の割り算」をなぜ学ばなければいけないのか。

「こんなの日常で使わないじゃん!」と子どもに言われたら、

教師は困ってしまう。

 

「グダグダ言うな。覚えなればいけないもんは覚えるんじゃ」

「問題が解ければいいんだ。今度のテストで出すぞ」

 

これでは、コミュニケーションが成立しない。

コミュニケーションのないところに「学び」はない。

 

そもそも、「分数」って何なんだろう?

だれが、いつ、考えたんだろう?

「割り算」が必要な場面にはどんなものがある?

 

このような「問い」を教授者と学習者が共有する。

そこが学習のスタートになければ、どんな「知識」も

テスト前の暗記で終わってしまう。