コミュニケーションの基盤
先日、授業中、ある学生が遅刻してきた。
その学生は「遅延証明書」を私に差し出した。
電車が遅れたのが原因だから遅刻を通常の出席にしてほしい、という意味である。
授業ではよくあるやり取りだ。
問題なのは、これが「4週連続」の行為ということである。
私は「電車が多少遅れても授業に間に合う時間に出られないのか」と聞いてみた。
すると学生は
「早く出ても途中の乗り継ぎの関係でこの時間になっちゃうんですよー」と答えた。
私は正直「???」だった。返答に困った。
そのときは言えなかったが、今なら言える。
「だからー、この時間(遅刻)にならないような時刻に家を出られないのかって聞いているんだよ。君の答えは、答えになっていない!」
こういうコミュニケーションのズレは、結構、深刻なんじゃないだろうか。
質問と答えとのズレ。
きっと、遅刻した学生の(思考の)中では、筋が通った説明なのだろう。
嘘をついたり、ごまかしたりしている訳ではない。
しかし、明らかに何かがおかしい(と私は思う)。
マイルール。私の中だけで通用する説明。
一人一人がマイルールを生きる。
私たちは、そんな社会に生きている気がする。