40人学級

今回も、小学校の教育実習を経験してきた

学生との会話から。

私: 荒れた学年というのはあった?

学生:6年生が大変そうでした。

私: どんな感じ?

学生:その学年は、児童が80人ぎりぎりだったので、

   40人学級が2クラスでした。だから、

   当初からきびしいと予想されてたみたいで・・

私: 40人って多いよね?

学生:はい。座席は縦6列、横7列。

   7列目だと、机と椅子のすぐ後ろが壁。

   後ろを歩いて通れない状態・・

私: 狭い教室にそれだけの人数を押し込めるって・・

学生:そうなんですよ。

   30人学級と40人学級では、空間からくる

   圧迫感が全然違います。

私: 以前、中学校の先生と意見が一致したんだけど、

   学級人数のMAXは6列×6列で36人、

   それが限界だ、と。

学生:子どもたちも本当にきつそうで。

   雨の日は、休み時間も外に出ることができないため、

   朝からずっと教室にこもり切り。

私: それって、ある意味、拷問だよなぁ。

そして、話はこれで終わらない。

学生:6学年には、自閉症ADHDを併発している子がいて

   ガマンできずに、授業中、よく廊下に飛び出すんです。

   元気のいい子なんで、他の子どもたちもつられて

   廊下に飛び出しちゃうんです。

   学級担任もどこかに消えてしまって、無法状態

   私はそれを「パーティー」って呼んでました。

私: パーティー

学生:はい。あまりにもよく起こるんで。

   名前だけでもポジティブにしようと思って。

   「また、パーティーが始まった!」って。

   おとなしく授業を受けたい子どももいるんですけどね・・

という感じ。

学生によると、こんな状態であるにも関わらず、

6学年では「起業家教育プログラム」というのをやってたらしい。

取り組み自体は、とても素敵なんだけど、

正直「そんなこと、やってる場合か?!」と思った、と。

なんか、前々回のブログと重なってしまうが、

教室の現状とマッチしない「キラキラ☆プログラム」が

小学校の現場に次々と降りてくる。

「事件は現場で起きている!」

きっと、現場の先生方は、目が回る忙しさのはずだ。

私が恐ろしいなと思うのは、

文部科学省にも現場にも、

「足し算の発想しかない」ということ。

古いこと、機能しないことをそのまま放置して、

新しいことをどんどん付け足していく。

一種の、というか完全な「思考停止」。

何か新しいことをやろうと思ったら、

古いこと、機能しないことをやめないと。

何を捨てるか、何を省くか。

しっかり考え、優先順位をつけて、

不必要なものは思い切って捨てる。

断捨離。

それができない限り、

現場の機能不全は、さらに深刻化し、

手に負えない状態になっていく気がする。

(今がすでにそうかも?)

以上。