相手に関心をもつ
大学のオンライン(Zoom)授業。クラスの人数は30名。
グループワーク(一グループ3-4名)を多用している。
教員がテーマ(例:大学生の間にやってみたいこと)を提示し、学生が考える。
グループに分かれ、一人1分ずつくらいで発表する。
ここまではいい。
問題は、このあとだ。
一人1分で三人が話す。グループワークの時間が5分だと、単純に2分余る。
この2分間、学生は何をしているかというと・・・
” みんな、ずっとだまっている!”
ただ、時間が過ぎるのを待っているのだ。
私は「お互いが話したことについて質問し合えば?」
とアドバイスするが、それがなかなかきびしいらしい。
「何がきびしいの?」と学生に尋ねると
「何か質問しても、反応がうすかったり、反応がなかったりするのが怖い」
のだと言う。
確かに、学生を観察していると、
聞き手は、話し手の内容に関心をもっている様子がない。
聞き手が、教員の指示通り?! 質問しても、話し手は一言返事して終わり。
簡略版「一問一答」。
これだと確かに「コミュニケーションをとろう!」という気も失せる。
学生も困っているようだ。
「沈黙の時間がつらい」という学生も多い。
沈黙の突破口の一つが質問だが、
学生は「質問」が思い浮かばないらしい。
「なぜ、質問できないの?」と学生に尋ねると、
①「相手の話がわからない」
②「相手の話に興味がない」
の、二つの回答パターンがある。
①はちょっとびっくりで、
「えっ、わからないから質問するんじゃないの?」とツッコミたくなる。
もしかすると、わからなすぎて、どこを質問してよいかわからない
のかもしれないが、同年代で、それは考えにくい。
②は確かにあり得る。
私は、①は要するに②のことだと考えている。
そこで、提案。
相手の話のテーマ自体には興味なくても
「 "相手が" なぜ、そのテーマに関心をもつ(もった)のか?」
について関心をもつことはできないだろうか?
私はよく、学生に上記の質問をしてみる。
「それの、どこに関心があるの?」
「なんで、それに興味をもったの?」
こう質問すると、学生は、
「〇〇が、~~で、とってもカッコいいんですよー!」
なんて、答えてくれたりする。
私はそこに関心を示す。「へぇー、〇〇がカッコいいんだぁ!」
中には、質問に対し、
ストーリー(物語)を話してくれいる学生もいる。
「〇〇が、~~で、△△になったんですよ。
それがきっかけで、▢▢という流れになるんですけど、
▽▽だなって思いました。~~」
こんな風に質問に答えてくれると、それだけで2分くらいは経つ。
上記のような質問をするコツはたった一つ。
「相手に関心をもつ」だ。
話のテーマなんて、どうでもいい。
相手に関心をもてば、その流れで、
相手が関心をもった対象(テーマ)と相手との関係に関心がいく(はず)。
そこから、関係性、コミュニケーションが広がっていくんだと思う。
この一番大事な「相手に関心をもつ」、
「相手から関心をもたれる」機会が
今まで少なかったのかなぁ、と感じる今日この頃。