未来教育

授業をつくる。教材を開発する。

それを30年近く、続けてきた。

そして、最近、よく思うのは

「教員がやりたい授業を教室でやるのは

教員のエゴなんじゃないか?」です。

エゴ、というとちょっと強い感じですが、

学習者が、その内容、その教え方を

望んでいるかどうかわからないのに

自分のやりたいように授業をプランニングし、

実践するのは、本当に「あり」なんだろうか、

と思ってしまいます・・

子どもが、いくつかの選択肢の一つとして

自分の授業を選んでくれるのなら、まだいいかな?

ただ、その場合でも、「授業を受けない」

という選択肢もあり、という条件が必要な気がする。

それらを踏まえて、以下、私の理想を書くと・・

学ぶ時間、学ぶ場所、学び方、学ぶ内容、

一緒に学ぶ仲間、教えてくれる人を

自分で選べるようになるのが一番いい。

好きな時間に、好きな場所で、好きな学び方で、

好きな内容を、好きな仲間と、

大好きな先生から教えてもらって、

学びたくないなんて人がいるだろうか・・

実は今、こうしたことは、夢物語ではない。

現に、youtube動画には、

「この内容を伝えたい」と意欲をもった人々が

様々な手法で、魅力的なコンテンツをアップしている。

もちろん、NHK for school等の、実績のあるプログラム

で学んでもいい。

オンデマンド教材なら、好きなときに好きなだけ

繰り返し学べる。

わからないことが出てきたら、google検索で、

たいていのことは瞬時に教えてくれる。

ネット上に、「学びの共同体(コミュニティ)」をつくる

動きも広がってきている。

youtube先生とgoogle先生

他に何がいるというのだ?

と開き直ってもいいくらいの環境がそろってきた。

でも実は、他にいるものが三つある。

①読解力

自分で学ぶときには、文章やグラフなどのデータを

きちんと読解できる能力が必要だ。

逆に言えば、教科書を自分で読んで学べれば、

あるいは、一緒に質問し合ったりして学び合う仲間

がいれば、別に先生はいらない、じゃなくて

youtube先生とgoogle先生がいてくれればいい。

②表現力

自分が学んだこと、主張したいことを自由に表現する。

そして、周囲から反応やフィードバックをもらえる。

それが、学ぶ意欲を持続するためには必要だ。

表現の仕方は何でもいい。

文章、詩、絵画、工作物、プログラミング、

マンガ、音楽、ダンス等々、

自分がやりやすく、楽しめる方法で表現できればOKだ。

③支援対話

①と②があっても、困ることがある。心折れるときもある。

そんなとき、サポートしてくれる人、

ともに対話してくれる人がいると心強いですよね。

カウンセラー、コーチ、メンター、ファシリテーター

そういった人たちに、いつでも相談できる環境。

それがあるといいなぁ。

教員はいらないけれど(私も今は教員ですが・・)

支援対話ができる人は、これからすごく必要な気がします。

以上、まとまると、

授業という名の集団教育は今後、どんどん減らしていって

一対一の個別教育、個別支援を充実させていく。

それが、未来の教育の方向性かな、という気がします。